ブルー・ミッチェル

「Blue's Moods」(60)

1. I'll Close My Eyes 2. Avars 3. Scrapple From The Apple 4. Kinda Vague 5. Sir John 6. When I Fall In Love 7. Sweet Pumpkin 8. I Wish I Knew

ジャズは１年くらい前から聴き始めているのだけど、自分に合う音の基準を探すのに苦労してる。そりゃ、いくらジャズを知らないと言っても「レフトアローン」や「テイクファイブ」くらい、おれも知ってるよ。だけどそれを収録したアルバムを聴くと「その曲だけ」がいいのだ。だから「どうしたものか･･･」となってくる。

で、 次は定番のマイルス・デイビスの 「カインド・オブ・ブルー」を聴いたのだけど、どうも探している音ではなかった。マイルスのアルバムって、なんかエネルギーが吸い取られそうなイメージなんだよ。おまけにジックリ聴かないとイカンなって思わせる雰囲気もあって、今、聴きたい音じゃない。

だからロックとかブルースの新規を開拓する時のように、まずはジャケットで選んでみることにした。今までのパターンからすれば「雨が降っている時に新規を開拓しに行くと長く付き合えるミュージシャンが見つかる」っていうジンクスみたいなものがあるから、その日も雨の日を選んでタワーレコードへと向かった。

ジャズのコーナーに 行くとそこには 「豚足喰いながらミソラーメン食べてるような」暑苦しいジャケットが一杯(笑) ブルースとかソウルはそういうジャケットに「当たり」は多いけど、ジャズは判らない。だから出来るだけラフな雰囲気に合うイメージでアルバ ムを探すことにした。残像が残るようなスピードでパラパラとCDをめくっていると・・・ありました！皺の寄ったシャツでトランペットを持ち、煙草を指に挟んでいるのが。「リラックスしすぎだろ（笑）」というのが第一印象だった。それがこのアルバム「 Blue's Moods 」。

黄色地に赤い文字が書かれているエプロンをした店員さんに言ってその場で開封させてもらい、CDウォークマンに入れる。建物の外に出ると丁度雨が上がっていて、その風景に凄く彼の曲が似合っていた。それがブルー・ミッチェルとの出会い。とにかくこのアルバムの彼のトランペットは開放感があって爽やか。またコロコロ転がるウィンストン・ケリーのピアノもブルー・ミッチェルのトランペットと馴染んでいるようで軽快だ。だからこのアルバムに出会ってからというもの、休日の朝はこのアルバムではじまるのだ。

2010/08/24      Instrumental