Eagles - Desperado
イーグルスの " Desperado " を私訳。元々このアルバムはドゥーリン=ドルトン・ギャングという「ならず者」をテーマにしたコンセプト・アルバムになってるから、その中の一曲だけを ピック・アップしても少し「?」なところがあったりする。でもこの曲はあまりにも有名すぎて、 もう独立した曲としてのイメージが強いですね。
それだけに " Desperado " は、カーペンターズやリンダ・ロンシュタット等々、多くの人がカバーしているけど、やはりオリジナルのイーグルスのが味わい深くて好きです。いつだったか読んだネットの記事でドン・ヘンリーがこの曲を書き始めたのが60年代後半で、1970年に彼がグレン・フライと出会うまではこの曲に何のアレンジも施さ れないまま放置されていたそうな。で、グレン・フライの協力のもと磨きを掛けられ、ようやく完成へとなったそうです。
Desperado,
デスペラード
Why don't you come to your senses
そろそろ目を覚ましたらどうなんだい
You've been out ridin' fences,
人目を避け、フェンスに跨っているだけじゃないか
for so long - now.
あれから、ずっと
Ohh you're a hard one.
意地を張りすぎるんだよ
I know that you've got your reasons.
お前なりの理由があるのは分かるけど
These things that are pleasin'you
お前はそこでそうすることで満足していても
Can hurt you somehow.
それは自分を傷つけることにもなるんだよ
Don't you draw the queen of diamonds, boy
だからダイヤのクイーンを引くのはよせって言ったじゃないか
She'll beat you if she's able.
彼女はお前を打ち負かすんだよ
You know the queen of hearts is always your best bet.
どんな時もハートのクイーンが最善策なのは、お前も知ってるだろ
Now it seems to me, some fine things
俺が見た所、幾つか良い手があるけどな
Have been laid upon your table.
お前のテーブルに置かれていたカードには
But you only want the ones
でも、お前は欲しがるのさ
That you can't get.
持っていないものを
Desperado,
デスペラード
Ohhhh you aint getting no younger.
お前は若くなっていってるわけじゃないんだ
Your pain and your hunger,
心が痛んだり乾いてくると
They're driving you home.
お前を駆り立てるのさ、心休まる所へと
And freedom, ohh freedom.
自由?自由だって?
Well that's just some people talking.
そんなことを口にするヤツもいるけど
Your prison is walking through this world all alone.
お前は「檻」に入ったまま歩いてるんだよ、この世界を「独り」でな
Don't your feet get cold in the winter time?
お前は冬になると足が冷たく感じないのかい?
The sky won't snow and the sun will shine.
空から雪が降りそうにないし、太陽も輝いていない
It's hard to tell the night time from the day.
こんな日は夜になったことさえ、わかりにくいよな
And you're losing all your highs and lows
けれど、笑うことや泣くことまで全て失うなんて
aint it funny how the feeling goes
おかしいじゃないか、感情が無くなるなんて
away...
消えちまうなんて...
Desperado,
デスペラード
Why don't you come to your senses?
そろそろお前は目を覚ましても、いい時じゃないのか?
come down from your fences, open the gate.
フェンスから降りてきて、門を開いてみろよ
It may be rainin', but there's a rainbow above you.
雨が降っていたとしても、お前の上には虹があるんだよ
You better let somebody love you.
そう、お前は誰かに愛されているんだ
You better let somebody love you...ohhh..hooo
だからそれに気付いて愛してもらえるようにならないと
before it's too..oooo.. late.
手遅れになってしまう前に
太郎の日本誤訳メモ
歌詞に出てくるトランプのカードについて、wiki から抜粋転載してみました。
トランプの語源・由来
英語の「trump」は「切り札」を意味し、マークの由来はスペードが剣を表し「王候」、ダイヤは貨幣を表し「商業」、クラブは棍棒を表し「農業」の象徴で、ハートは「心臓」ではなく聖杯を表し「聖職者」の象徴であるといわれていますが、これらの説には根拠がないため、正確な由来は未詳。と書いてました。
Don't you draw the queen of diamonds, boy
Don't you draw the queen of diamonds, boy
She'll beat you if she's able.
You know the queen of hearts is always your best bet.
Now it seems to me, some fine things
Have been laid upon your table.
But you only want the ones
That you can't get.
ここはずっと「実際にポーカーをプレイしている内容」だと解釈していたのだけど、それだと冒頭の歌詞やこの歌詞に続く部分との繋がりが違和感ありまくりなので、悩んだ。そんで今回新たに訳してみて思ったのが「この部分は友達が例え話として持ち出した過去の場面なのかも」という解釈。だから下記の部分の
Don't you draw the queen of diamonds, boy
間投詞の boy は、それだけの訳として書こうとすると変な文章になってしまうので、話し方のニュアンスとして意訳してみました。だから
Don't you draw the queen of diamonds, boy
だからダイヤのクイーンを引くのはよせって言ったじゃないか
て、いう感じ。
また間投詞の boy が、どのような訳になるかは此処をクリック
Have been laid upon your table
ここ " laid upon your table " の訳は「お前のテーブルの上に出された、載せられた、置かれた」てな感じなんだけど、ポーカーでこの場面に該当するといえば「カードが配られた」時と「カードが捨てられた」時。だけどこの友達はその上の歌詞で
Now it seems to me, some fine things
俺が見た所、幾つか良い手があるけどな
と、言っているのだから「テーブルの上にあるカードの内容を知っている」状態ってことになり、主人公と友達の立っている位置も見える。つまり「主人公」は「ポーカーに参加」していて、その「カードの内容が見える位置にいる」のが「友達」となる。そうなると「友達はゲームに参加しておらず、見学していた」って感じかな?以上のことを含めて考えると「テーブルの上にあるカード」の状況は「友達にとって内容を確認済みのカード」ということだから、laid upon の意味は「捨てられたカード」を指している。んで、その前にある Have been は現在完了形だから、「友達が例え話として過去の場面を今、語っている」となり、ここの訳は
Now it seems to me, some fine things
俺が見た所、いい手が揃っているけどな
Have been laid upon your table.
お前のテーブルに置かれていた(ことがある)カードには
と、いうことになります。
あとは歌詞について少し・・・
Don't you draw the queen of diamonds, boy
She'll beat you if she's able.
You know the queen of hearts is always your best bet.
ここの「ダイヤとハート」の意味する所は「お金か、気持ちか」を表しているとも感じるけど、歌詞全体の友達の「気持ちの例え方」とかから考えると、この歌詞の主人公の「ダイヤのクイーン」と「ハートのクイーン」への向き合い方は「愛したい」のか「愛されたい」のか、というニュアンスも含めていると思いました。勿論、主人公は「自分が愛したい」と感じる人ってこと。だけどそれに対して友達は「愛されるってのも、いいもんだぜ?!」と言っている。
またこの友達が口にしていることは「お前はデスペラード(ならず者)のままでいいのか?」という「今までの生き方に気付かせること」と「ならず者を想っている人がいるという事実を教える」というニュアンスが強いんじゃないかなって思った。「じゃ、なんで主人公を想っている人が居るって解釈になるんだよ」となるけど、それは歌詞の終盤に出てくる
come down from your fences, open the gate.
フェンスから降りてきて、門を開いてみろよ
It may be rainin', but there's a rainbow above you.
雨が降っていたとしても、お前の上には虹があるんだよ
の、部分が説明しています。この主人公の友達は賢い人で「虹」という例えが実にうまいですね。なぜなら「虹」というのは「いつも在るワケではない」からね。だから主人公がフェンスから降りて門を開けても「虹があるとは限らない」ということ。それはいろんな「偶然が重なってはじめて出来る現象」だから。でも、この友達はここの歌詞で
there's a rainbow above you.
お前の上に虹が在る
と、言い切っている。ということは、この友達は「虹が既に在るという事実を知っている」ということになる。で、「その事実」は何かというと、この歌詞の中の
Now it seems to me, some fine things
俺が見た所、幾つか良い手があるけどな
Have been laid upon your table.
お前のテーブルに置かれていたカードには
の部分に書かれている。だから友達は主人公に対して「虹が在ると言い切ることが出来る」し、彼は「虹」の例えを口にしたと思うんです。だから上の歌詞の部分をもっと判りやすく意訳すれば
Now it seems to me, some fine things
俺が見た所、いい人が居るじゃないか
Have been laid upon your table.
お前の周りの友達の中にもな
て、いう感じ?
まして「虹」というのは「余りに距離が近すぎると自分では気が付きにくい=想いを寄せてくれている人」ものでもあるからね。実に「うまい表現」ですね。そんな友達が口にする言葉だから、歌詞の下の方の訳にも手を加えました。その部分をすんなり訳せば
You better let somebody love you.
お前は誰かに愛されるようにならないと
てな、感じの訳になると思うんだけど、友達からのメッセージも含めて考えると、そのニュアンスは
You better let somebody love you.
そう、お前は誰かに愛されているんだよ
You better let somebody love you...ohhh..hooo
だからそれに気付いて愛してもらえるようにならないと
と、なりました。
この同じ歌詞の内容で訳し方を変えたのは、一行目で「誰かに愛されているという事実」を伝え、二行目では「ロクでもない、ならず者の生活は捨てて真っ当に働いて人生を生きろ」と、人生のやり直しを即しているという解釈。ネットには、いろんな人の解釈した訳があるから、いろいろ見てみるのも楽しいですよ^^b
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