Marilyn Manson- Overneath The Path Of Misery

8th「Born Villain」(12) から " Overneath The Path Of Misery " を私訳

8th「Born Villain」(12) から " Overneath The Path Of Misery " を私訳。

マリリン・マンソンは今回アルバムを制作する上で英国の劇作家シェイクスピアの戯曲「マクベス」と、フランスの詩人ボードレールの詩集「悪の華」からインスピレーションを受けたそうです。そのことはインタビューでも「これまで2人のことを尊敬したりしていたわけではないが、突然この2作品が自分にとって意味を成すものに感じたから、このアルバムで取り上げたかったんだ」と語っています。

やがて完成された歌詞を読むとその二人の作品以外にも、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」やサッフォーの詩集を感じさせる表現が散見され、いつもとは少し赴きを変えた「悪」が表現されていて、おもしろい。それだけにもう一枚こういうアルバムを作るなら、次はドストエフスキーをベースにして作って欲しい。

今回私訳した " Overneath The Path Of Misery " の歌詞は、PV・バージョンとアルバム・バージョンではセリフとして挿入される「マクベスの第5幕、第5場」の量と場所が違うので、今回はアルバム・バージョンに合わせてみました。

歌詞に挿入される「マクベスの第5幕、第5場」の対訳は「マクベス シェイクスピア全集」小田島雄志(翻訳) 白水Uブックスから抜粋、改変。また、私訳するにあたって参考にさせて頂いたサイトへのリンクは、歌詞末尾にて紹介。

" Overneath The Path Of Misery "

“And all our yesterdays have lighted fools
「昨日という日はすべて愚かな人間が塵と化す
The way to dusty death.
死への道を照らしてきた
Out, out, brief candle!
消えろ、消えろ、束の間の燈火!
Life’s but a walking shadow, a poor player,
人生は歩きまわる影法師、哀れな役者だ
That struts and frets his hour upon the stage
舞台の上で、どれだけ派手に振舞おうが
And then is heard no more. It is a tale
出場が終われば消えてしまう。それは
Told by an idiot, full of sound and fury,
間抜けが語る物語、喚き声と怒りは凄まじいが
Signifying nothing.”
何一つ意味はありはしない」
[William Shakespeare / ウィリアム・シェークスピア]

Stare into my Kodak Rome Jack hammer ice eyes
凝視し続けているのは、罪を重ねた日々の記憶
Never thought you'd see the asphalt
正視に堪えないだろ、お前が覆い隠してきたものが
Crack crack crack like a black egg shell
卵の殻が割れるように、暴かれていくのを見るのは

Don't ever say I never warned you from the start
口に出来ないよな、最初に俺が警告しなかっただなんて
Don't ever say I never warned you from the start
口に出来ないよな、最初に俺が警告しなかっただなんて
You're not a shovel, and I'm not your dirt
お前に利用されたくないし、俺が利用しているワケでもない

Is there any way to unswallow my pride?
手放した自尊心を取り戻す方法はあるのか?
Can I fuck myself down?
腐りきった我が身を墜とせるのか?
Why die when you can kill the father,
なぜ死ぬんだ、お前が父親に刃を振り下ろしたところで
Dad is missing an 'E'
父親なんて存在は元から死んでいるのに
Now Macbeth confessed Oedipus
その時、マクベスはオイディプスに告げた
No longer present tense
「もうその存在に悩まされることはない」
Now Macbeth confessed Oedipus
その時、マクベスはオイディプスに告げた
No longer present tense
「もうその存在に悩まされることはない」

(マクベス  / オイディプス  / 欲望に負けて父親を殺した人物)

No, no, no, no, no reason
ない、ない、ない、ない、そこに理性はない
No, no, no, no, no reason
ない、ない、ない、ない、そこに理性はない
No, no, no, no, no reason
ない、ない、ない、ない、そこに理性はない

High and overneath
膨れ上がる欲望と堕落してゆく心
High and overneath
膨れ上がる欲望と堕落してゆく心

I won't regret letting you live
お前の命を繋いだことを後悔したくはないが
Even if you forget or you never saved me from
もしお前が忘れるなら、もし我が身を惜しむことに腐心するなら
So I say whatever or for never
俺が告げる言葉は、終わりを意味するものになる

For for for for for for never
ない、ない、ない、ない、ない、果てしがない
For for for for for for never
ない、ない、ない、ない、ない、果てしがない
For for for for for for never, whatever
ない、ない、ない、ない、ない、果てしがない、怠惰

The rape of Persephone was choreographed by all the wrong Greeks
ペルセフォネの強姦は、邪なギリシア人によって演出されたものだった
The rape of Persephone was a marketing scheme
ペルセフォネの強姦は、綿密に調べられ計画されたものだった

(ペルセフォネ  / 欲望に負けた時に誘拐されて強姦された人物)

Rape rape rape per so phony
強姦、強姦、強姦、仕組まれた強姦
Rape rape rape per so phony
強姦、強姦、強姦、仕組まれた強姦
Rape rape rape per so phony
強姦、強姦、強姦、仕組まれた強姦
Rape rape rape per so phony
強姦、強姦、強姦、仕組まれた強姦

High and overneath
膨れ上がる欲望と堕落してゆく心
High and overneath
膨れ上がる欲望と堕落してゆく心

Overneath
堕ちてゆく
Overneath
堕ちてゆく
Overblown
飾り立てても
Unbeloved
誰にも愛されないから
Cannot be low
改心することが出来ない

From the top of my lungs
長きに渡り目にしてきた
To the bottom of my heart
愚か者の顛末を
I scream
俺は叫ぶのだ
At the chasm in between
悪臭放つ深淵の中から
And the path of misery
惨めさ漂う小道から

Overneath
堕ちてゆく
Overneath
堕ちてゆく
Overblown
飾り立てても
Unbeloved
誰にも愛されないから
Cannot be low
改心することが出来ない

From the top of my lungs
長きに渡り目にしてきた
To the bottom of my heart
愚か者の顛末を
I scream
俺は叫ぶのだ
At the chasm in between
悪臭放つ深淵の中から
And the path of misery
惨めさ漂う小道から

High and overneath
膨れ上がる欲望と堕落してゆく心
High and overneath
膨れ上がる欲望と堕落してゆく心

No, no, no, no, no reason
ない、ない、ない、ない、そこに理性はない
No, no, no, no, no reason
ない、ない、ない、ない、そこに理性はない
No, no, no, no, no reason
ない、ない、ない、ない、そこに理性はない




参考にさせて頂いたサイト、資料


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リンク


2013/02/11      2010 M Marilyn Manson