Tracy Chapman
Tracy Chapman - Our Bright Future - 2008
1.sing for you 2. i did it all 3. save us all 4. our bright future 5. for a dream 6. thinking of you 7. a theory 8. conditional 9. something to see 10. the first person on earth 11. spring新譜が出たら無条件に買うミュージシャンがいる。
トレイシー・チャップマンもそのひとりで、発売日にはいろいろやりくりしてタワーレコードへと急ぐ。だっておれにとってそういうものは懐かしい友達からの手紙のようだから、お金を握り締めて店頭に駆けつけるのだ。
トレイシー・チャップマン。
デビュー以来、彼女は世の中のリアルを書き続けてきた。
美化せず着色せず、ただ在りのまま歌ってきた。
彼女の書く詩はかなり辛辣で途中で聴きたくなくなったこともある。
だけど少し経つとまた聴きたくなる。
歌詞がいいとか癒されるというのではなく、必要、そう思えるものがそこにはある。
人は心が不安定な時ほど、自分が「望んでいる言葉」を求め、他人に近づく。
そしてそれが相手から貰えないと知るや、掌を返す。
どうしてそうなるのか?
なぜなら自分ではそれを自覚していても、その時の自分を肯定して貰いたいと心のどこかで願うからだし、そうしないと「前に進めない」からだ。
だけどそんな時でも彼女は、その人に「少し立ち止まってみたら?」と言う。
相手にどう思われるとか関係なく、ただその人に「必要なこと」を口にする。
そんな彼女だからこそ、そこから紡がれる言葉が聴く者の胸の奥深くに突き刺さるんじゃないだろうか?
2008年。
そんな彼女が自分が思う未来を歌った「our bright future」。
彼女の思う未来、それはアルバムを聴くまでもなく今の彼女のオフィシャル・サイトに行けば誰でも判るだろう。そこには白い背景に黒い輪郭で縁取られた輪郭があり、右上にあるパレットで誰もが着色出来る。まるでこれからの未来をどういう色にするのも「私たち次第なのだ」と彼女は言っているかのようだ。
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2010/09/29 2000 T Tracy Chapman