Megadeth - The System Has Failed

Megadeth - The System Has Failed - 2004
Megadeth - The System Has Failed - 2004
1. blackmail the universe 2. die dead enough 3. kick the chair 4. the scorpion 5. tears in a vial 6. i know jack 7. back in the day 8. something i'm not 9. truth be told 10. of mice and men 11. shadow of deth 12. my kingdom come



前作のアルバム「the world needs a hero」(01) の後のバンド解散宣言。理由として「デイブ・ムステインの腕の病気が原因だ」というニュースがネットやメタルマガジンに飛び交っていたけど、アルバム発表時のインタビュー記事を読んで思ったのは、いつもの彼にあった「あいつが~」「メンバーの誰々が~」という言葉はなく、「俺が~」「俺は~」で終始していたのが面白いと思った。結局のところデイブ・ムステインには誰にも邪魔されずに自身がニュートラルになれる時間が必要だったのかも知れない。

最初はソロで出す予定だったというこの「the system has failed」を聴いて驚いた。破壊衝動を謳歌していたからだ。更にこのアルバムには彼が過去に嫌っていた「risk」(99) や「the world needs a hero」(01) の音の名残が息づいているという意外性も持ち合わせていた。

その2枚のアルバムは彼が過去にあらゆる媒体で嫌悪感を示していたアルバムだっただけに、新作ではもっと違う音を彼は探すと思ったからだ。ましてメタル界広しと言えど彼ほどまでに怒りに満ちた人もなかなか居らず、人を許すということを放棄してたような人物が「過去を切らなかった」のだから、そこに並々ならぬ決意のようなものを感じた。

そういった変化は今回のアルバム発表時に彼が 「俺が即ちメガデスだ」と高らかにカミングアウトしたということでもよくわかるし、「音のトーン」というものが「人の経験から発するもの」である限り、 今回のアルバムに至る彼の大きな一歩は音の攻撃力を増すという形でこれから表現されていくだろう。アートワークも歌詞も自己主張満載の1枚!素晴らしい!


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2010/10/09      2000 M Megadeth