Tracy Chapman - Telling Stories

5th「Telling Stories」(00)  からタイトル・トラックを私訳

5th「Telling Stories」(00) からタイトル・トラックを私訳。彼女のアルバムは1stばかりが話題になりがちですが、その後のアルバムも良いですよ。特にこのアルバムのプロデューサーは 1st 2nd を担当した David Kershenbaum が再起用されているので、非常に興味深い。

トレイシー・チャップマンの歌詞って差別や偏見、環境や未来についてがそのイメージとしてありますが、今回のアルバムの歌詞はパーソナルな内容が多く、訳した曲にしてもアブローチが秀逸でおもしろい。そんな彼女の歌ってどこか「薬」を連想させる。だから毎日聴くって感じじゃないけれど、自分の気持ちのどこかがささくれているなって感じたときに聴くと、そこに手をかざされているかのような気がします。苦いけどほんのり甘い・・・そんな感じ。

" Telling Stories "

There is fiction in the space between
ほんのちょっとの隙間にフィクションがある
The lines on your page of memories
あなたは記憶のページの行間に
Write it down but it doesn't mean
書き留めるけど、それに意味はない
You're not just telling stories
だってあなたの心にある話だけではないのだから

There is fiction in the space between
ほんのちょっとの隙間にフィクションがある
You and reality
あなたと現実の間にね
You will do and say anything
あなたは、いつも言っているでしょう
To make your everyday life
波風立たせたくない世界で
Seem less mundane
生きていくのに役立つって
There is fiction in the space between
ほんのちょっとの隙間にフィクションがある
You and me
あなたと私の間にね

There's a science fiction in the space between
ほんのちょっとの隙間にサイエンス・フィクションがある
You and me
あなたと私の間にね
A fabrication of a grand scheme
それは壮大な計画の架空の話で
Where I am the scary monster
そこでの私は恐ろしい怪物になっていて
I eat the city and as I leave the scene
都市を食べながら去っていくの
In my spaceship I am laughing
別の場面で私は自分の宇宙船の中で笑ってる
In your remembrance of your bad dream
あなたの思い出したくない記憶の中で
There's no one but you standing
立ち尽くしているのは、あなただけ

Leave the pity and the blame
言い訳を口にしない人の為に
For the ones who do not speak
憐れみと非難は残して置いて下さい
You write the words to get respect and compassion
そして、あなたは後世からの尊敬と同情を得るために
And for posterity
言葉を文字にして
You write the words and make believe
書き綴ることで、あなたは信じ込む
There is truth in the space between
そのほんのちょっとの隙間には真実があります

There is fiction in the space between
ほんのちょっとの隙間にフィクションがある
You and everybody
あなたとみんなの間にね
Give us all what we need
私たち全員に必要なものを下さい
Give us one more sad sordid story
もう一度、悲しくて利己的な話が欲しいのです
But in the fiction of the space between
でも、ほんのちょっとの隙間にフィクションを忘れずに
Sometimes a lie is the best thing
時々つく嘘は なかなかいいものです
Sometimes a lie is the best thing
時々つく嘘は なかなかいいものです


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2011/04/10      2000 T Tracy Chapman