Blossom Dearie - Lover man
1957年のアルバム「 Blossom Dearie 」から " Lover man " を私訳。ジャズのボーカルといえば「セクシー」であったり「ハスキー」であったり、そういう「夜」や「艶かしさ」というイメージがあるけれど、ブロッサ ム・ディアリー、 彼女の声は「キュート」な声。しっとりと流れゆく春の風を思わせる柔らかさがあって、聴いていて安穏とした印象を与えてくれます。
それを例えるなら「花」。その「花」にしてもバラとかヒマワリじゃなくて、スミレとかレンゲ、タンポポって感じ。そういう声の持ち主の彼女がどういう内容を歌っているのだろうと訳してみたら、やはり「恋に恋する乙女ちゃん」(笑) だから男のおれが歌詞を訳してもどこかしら居心地が悪く、落ち着かなかった。
彼女のことが話題になると声の質や歌い方で賛否両論あるけど、今から考えるとこの人の歌い方や歌詞の世界観は当時のジャズ・ボーカリストの世界観を若返らせたと思えるし、それに続く時代の中で多くのミュージシャンによって受け継がれているスタイルでしょうね。2009年に亡くなるまで多くのアルバムを出した彼女だけど、世間一般的な評価よりもその功績は大きかったんじゃないのか? そんなこと思います。
" Lover man "
I don't know why
なぜだかわからないけど
But I'm feeling so sad
私はとても悲しい
I long to try
長いこと試しているけど
Something I've never had
私にはどうしようもない、何か
Never had no loving
愛の訪れを待ちました
Never had no kissing
キスすることを待ちました
Lover man, where can you be?
愛しいあなた、どこにいますか?
The night is cold
夜は寒くて
And I'm so all alone
おまけに私は独りぼっち
I'd give my soul
あなたを私のもとへと呼べたなら
Just to call you my own
この想いを捧げるのに
Got a moon above me
空にはお月さまがあるけれど
But no one to love me
私を愛してくれる誰かはいない
Lover man, where can you be?
愛しいあなた、どこにいますか?
I've heard it said
聞いたことがあるわ
That the thrill of a romance
そうよ、これが恋のトキメキ
Could be like a heavenly breeze
まるで天国からの息吹のようよ
I go to bed
そろそろ眠りに就こう
With the prayer
いつものように祈りながら
That you'll make love to me
あなたが私と愛しあうように
Strange as it seems
そうなってくれますように
Someday we'll meet
いつか私達が会えますように
And you'll dry all my tears
そして、あなたは私の涙を拭って
You'll whisper sweet little things in my ears
私の耳元で甘く囁いてくれるの
Hugging and kissing
抱きしめてキスしてくれる人
Ooh, what we've been missing!
ああ、私達に欠けているもの!
Lover man, where can you be?
愛しいあなた、どこにいますか?
Lover man, where can you be?
愛しいあなた、どこにいますか?
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2011/05/14 1950 B Blossom Dearie