Mary Hopkin - Those Were The Days

メリー・ホプキンの代表曲とも言える " Those Were the Days " を私訳

メリー・ホプキンの代表曲とも言える " Those Were the Days " を私訳。
彼女はウェールズ出身でウェールズ語を母語に育ち、民謡歌手として音楽活動に入る。地元のインディーズ・レーベルでいくつか録音を残した後、ツイッギーに見出されて、ビートルズのアップル・レコードと契約。アップル所属時代は、その容姿や声から「アップルの歌姫」と呼ばれる。

ポール・マッカートニーがプロデュースした彼女のシングル " Those Were the Days " は1968年8月30日にイギリスで発表。全英チャートにおいては49位、7位、2位、1位と4週間で到達し、それまで2週間1位だったビートルズの " ヘイ・ジュード " を蹴落として6週間1位に輝き、1968年の年間チャートでは3位になっています。また日本では漣健児によって訳詞が付けられ、森山良子や広川あけみによってカバーされたらしいですね。

元々この曲はウクライナの民謡をイギリスで活躍したアメリカ人歌手ジーン・ ラスキンが編曲して発表したもの。より詳しく書くと、コンスタンチン・ポドレフスキーの詩にボリス・フォーミンが、クレツマーないしはジプシー音楽の様式で曲付けして完成したのが、この " Those Were the Days " の原型「Дорогой длинною」(「この道に沿って」「この道を」の意味)という曲。そして時と共にソビエト連邦からの亡命者によって欧米に広められるうち、いつしか作者不詳の「ロシア民謡」と呼ばれるようになり、その後1962年にラスキンがこの曲に手を加えて自作として発表したために「ラスキンの作品」と呼ばれるようになりました。

今回訳してみて思ったのが歌詞の前半と後半で主人公の立っている場所に違う解釈が出来るということ。こういう歌詞の組み立て方ってなかなか他の歌詞ではないだけに、なかなかおもしろい作りだなって思いました。

ただ惜しむらくは、この曲を歌うには当時の彼女は若すぎ、個人的にはもっと歳を重ねた歌手やマリアンヌ・フェイスフルに歌って欲しい曲ですね。でも歌詞が歌詞だけになかなか歌いたがらないだろうなぁ・・・。

" Those Were The Days "

Once upon a time there was a tavern
昔々、そこに居酒屋がありました
Where we used to raise a glass or two
よくそこでふたつのグラスを掲げたものです
Remember how we laughed away the hours
思い出すのは、私達が多くの時間を笑って過ごし、
And dreamed of all the great things we would do
自分達が描いていた大きな事柄の実現を夢見ていたということ

Those were the days my friend
友よ、楽しい日々でしたね
We thought they'd never end
私達は決して終わらないと思っていた
We'd sing and dance forever and a day
私達はいつまでも歌いながら踊り続け
We'd live the life we choose
私達は自分達で選んだ人生を生き
We'd fight and never lose
私達は闘っても決して負けなかった
For we were young and sure to have our way.
私達は若く、可能性に満ちていたのです
La la la la...
ラ・ラ・ラ...

Then the busy years went rushing by us
忙しい日々が何年にも渡って私達にも押し寄せ
We lost our starry notions on the way
私達はその中で輝きを失っていきました
If by chance I'd see you in the tavern
もし偶然にあの居酒屋で私達が会えたなら
We'd smile at one another and we'd say
私達はお互いに微笑んで、こう言うでしょう

Those were the days my friend
友よ、楽しい日々でしたね
We thought they'd never end
私達は決して終わらないと思っていた
We'd sing and dance forever and a day
私達はいつまでも歌いながら踊り続け
We'd live the life we choose
私達は自分達で選んだ人生を生き
We'd fight and never lose
私達は闘っても決して負けなかった
Those were the days, oh yes those were the days
私達にとっての懐かしい日々はそんな毎日が続いていたのです
La la la la...
ラ・ラ・ラ...

Just tonight I stood before the tavern
今夜、私は以前の居酒屋の前に立っていました
Nothing seemed the way it used to be
そこは何も変わっていないかのようだったけれど
In the glass I saw a strange reflection
グラスに何かが反射しているのが見えました
Was that lonely woman really me
そこに映っている孤独な女性、それは私でした

Those were the days my friend
友よ、楽しい日々でしたね
We thought they'd never end
私達は決して終わらないと思っていた
We'd sing and dance forever and a day
私達はいつまでも歌いながら踊り続け
We'd live the life we choose
私達は自分達で選んだ人生を生き
We'd fight and never lose
私達は闘っても決して負けなかった
Those were the days, oh yes those were the days
私達にとっての懐かしい日々はそんな毎日が続いていたのです
La la la la...
ラ・ラ・ラ...

Through the door there came familiar laughter
ドア越しに懐かしい笑い声が聞こえました
I saw your face and heard you call my name
私があなたの顔を見つけた時、あなたが私の名前を呼んだのです
Oh my friend we're older but no wiser
友よ、互いに歳をとりましたね。だけど少しも賢くなってはいない
For in our hearts the dreams are still the same
私達の心の中の夢は昔のままでも

Those were the days my friend
友よ、楽しい日々でしたね
We thought they'd never end
私達は決して終わらないと思っていた
We'd sing and dance forever and a day
私達はいつまでも歌いながら踊り続け
We'd live the life we choose
私達は自分達で選んだ人生を生き
We'd fight and never lose
私達は闘っても決して負けなかった
Those were the days, oh yes those were the days
私達にとっての懐かしい日々はそんな毎日が続いていたのです
La la la la...
ラ・ラ・ラ...


太郎の日本誤訳解説


うーむ。いきなり訳し出して困った。
出だしの " tavern " という単語で・・・。
これをこのまま訳せば「居酒屋」となるんだけど、「居酒屋」と訳すと、なんか加藤登紀子のイメージ  になるんだよ。まぁ、加藤登紀子は加藤登紀子で上手い歌手だからいいんだけど、ちょっとこの曲の雰囲気に「居酒屋」という言葉は合わない。でも、他にいい表現が浮かばないから、そのままに。

Those were the days my friend
上の部分は歌詞の中で何回も繰り返される部分。そのまま訳すと「友よ、懐かしい日々ですね」みたいなニュアンスになるのだけど、これが節の一番下で書かれるならともかく、文頭で書かれると意味が通りにくくなる。だから同じ単語であっても文頭にある場合には「楽しい日々」とし、文末の場合は「懐かしい日々」という風に。

この歌詞の中の重要なとこは下記
Just tonight I stood before the tavern
今夜、私は以前の居酒屋の前に立っていました
Nothing seemed the way it used to be
そこは何も変わっていないかのようだったけれど

ここから続く歌詞の解釈をどうするか?どっちにしても「この時の主人公は現実世界にはいない可能性がある」ということです @_@ あと、歌詞はネットにあるものと実際に歌っているものとで違うので、聴き取れる範囲で実際に歌っているものに合わせてます。


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2011/07/22      1960 M Mary Hopkin