Dillon - Tip Tapping
1st「This Silence Kills」(11) から " Tip Tapping " を私訳。
ビリー・ホリデイ、バスキア、ジェフ・バックリーにインスパイアされて自らの音楽をスタートさせた23歳のディロン。ちょっと他のミュージシャンと違って、バスキアを挙げているのがおもしろい。
このデビューアルバムの音を聴けば不思議な音を作る人だなぁと感じるのだけど " Tip Tapping " のPVを観た時、なんとも言えない奇妙な印象を受けた。その奇妙な印象がどこからくるのか知りたくて、繰り返しPVを観てみることにした。
画面はまず三つの映像で構成されていて合成処理が施されているのだけど、三つの映像がそれぞれ違う動きをするから、不安定さ、違和感を感じてしまう。あとは歌詞に短いセンテンスを使っていること、同じ言葉を繰り返していることが挙げられるけど、三つの映像と同じくらい違和感を感じたのは顔の表情がほとんど見えないこと。これがちょっと怖い。彼女の姿が画面に映り続けているのにその表情がほとんど映らず、ずっと髪の毛で表情が覆われている・・・。
これって何とも感じない人もいるかも知れないけど、人の顔が見えないことってこんなにも不安になるものなのかと思った。だからこの " Tip Tapping " のPVを観ていると「貞子がボーカルを担当したブラックサバス」(「黒い安息日」「パラノイド」の頃)というイメージが沸いてしまう。でもそれ以外の曲はそういう奇妙な感じもせず、23歳の彼女の個性的な歌い方と歌詞の世界を楽しめるアルバム。おもしろい。
Tip tapping
先っぽをペチッと叩く
I was tip tapping
私、先っぽをペチッと叩いていた
In the dark
暗闇の中で
Tip tapping
先っぽをペチッと叩く
I was tip tapping
私、先っぽをペチッと叩いていた
In the park
公園の中で
The sound of the leaves
葉っぱの音がしたわ
When my feet hit the ground
私の足が地面を蹴ったとき
The sound of the leaves
葉っぱの音がしたわ
When my feet bounce around
私が周囲を駆け回ったとき
In the dark, in the park
暗がりの中で、公園の中で
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